釣割

釣魚図鑑

クロダイ

スズキ目 タイ科

琉球列島にはいないが、北海道の南部から本州、四国、九州まで日本で幅広く分布している魚で、マダイと並んで釣りファンの多い魚である。磯やイカダ、防波堤や船釣りなど、いろんなジャンルでそれぞれの釣り方がある。クロダイは好奇心が強い割には警戒心も強く、釣りにくい魚の一つとされているが、人気は高い。産卵の時期はマダイより遅く、4~6月頃で、この季節に釣れるクロダイを「乗っ込みクロダイ」と呼び、数、型ともに期待できる釣りのベストシーズンである。西日本では「チヌ」の呼び名でおなじみだが、幼魚を「チンチン」や「カイズ」、「チンタ」と呼ぶ地方もある。寿命は平均的に10年前後で、長寿のものは20年ほどまで生きる。エビ類を好んで捕食するが、その他の甲殻類や貝類も食する雑食性の魚である。 

形態

タイ科の魚の中では最も色が黒いために「クロダイ」という呼び名がつけられた。体色にも変化が多く、個体によっては白色や青みがかったものもいる。各ヒレの間にあるヒレ膜が黒く、下あごの腹面と胸の部分だけが白い。体型は体高が高い典型的なタイの形をしている。クロダイの口はやや前方に突き出しており、犬歯と臼歯がそれぞれ列をなして並んでいる。大きいものは体長70cm以上まで成長するが、最も漁獲される量が多い大きさは体長30cm前後のクロダイである。幼魚のうちは体色がが灰色っぽい銀色でその中に黒い横帯がある。だが成魚になるにつれてその横帯は不明瞭になり目立たなくなる。

食味

きれいな白身魚だが、身は少し水っぽくて軟らかい。食べるものによって少し磯臭いものもいる。そのため釣りでクロダイに出会った場合はすぐに活き締めにするのが好ましい。春の乗っ込みの時期よりも寒に釣れるものの方が、身が締まってうまい。血合いが赤く、透明感のある白身なので刺身にすると見栄えが良い。クロダイの身は熱を通してもかたくならないので、塩焼きにしたり、煮付けにしても美味しい。また椀物の食材としてもたびたび利用される。その他にはムニエルやアクアパッツァなどの洋風の料理に調理されることが多いのも有名である。旬に時期は秋から春にかけてで、産卵後の夏はやや味が落ちる。

釣種

釣り船,磯,投げ,防波堤,海釣り公園,筏・カセ,ボート,ソルトウォータールアーフィッシング

釣場

沖合,内湾,砂地,岩礁,防波堤,河口

生息域

南日本,北日本,日本海,瀬戸内海,東シナ海